1月の読書(1) 「ナ・バ・テア」

表紙は目の覚めるように鮮やかな朱色なんですが、ちょっとこの画像微妙ですね…。

ナ・バ・テア

ナ・バ・テア [bk1] : [Amazon]
森 博嗣
¥680(税込)・中公文庫・4122046092

戦争へ向かう戦闘機に乗ることを職業とする永遠の子供――キルドレ。
何もない空を自由に舞い、戦い、幸せに笑う…「僕」とティーチャの物語。

スカイ・クロラシリーズの二作目。刊行とほぼ同時期に購入していたものの、なかなか手を付けることなく日々は過ぎ、いつの間にか年を越しておりました。
家にいると私の興味の対象はパソコンへと向かってしまうためなのですけれども、そのため偶々電車で通勤した日の早朝のスターバックス、そして病院の待合室にて読むことになりました。

主人公は前作とは異なる人物、そして過去の話。
一人称で進んでいくのですけれども帯などを読まずに読むと、その語っている人間が誰なのか知ったとき、ちょっとびっくりしますね。

本作を読んで…そして、先ほどスカイ・クロラをもう一度読み返したのですが、大きく印象が変わりました。
大人になるということの悲愴さがこの物語にはあるように感じます。

数ヶ月前に読んだVシリーズ最終作の「赤緑黒白」(参考エントリ : 11月の読書(3) 「赤緑黒白」)については若干不発に感じたのですが、このシリーズは嫌いではないです。
寧ろ、森さんの作品では最も好き、と言えるかと思います。万人向けかと言われると、決してそうではないのですが。

淡々と進んでいく物語の中、静かに戦争が進み、人が死にゆく。
「None But Air」とは「ただ空気だけ」、という意味ですけれども、その空間で戦闘機に乗るキルドレたちは何を見るのか。
読み終えた今も、その物語全体からどこか得体の知れない不安…ある種の恐怖感が残りました。
よしもとばななの解説も面白いです。

ここからは超余談。
主人公たちでさえ意味を知らずに続けられる戦争は、何故か「ハウルの動く城」(参考エントリ : ハウルの動く城)を私に思い出させました。戦争を引き起こした主体が話中に登場するか否か、そして悲壮感が違いますけれども。

2005/01/28読了。

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